卸売業の倒産が起こる理由とは?原因や対策、取引先倒産による売掛金未回収への備えを解説 | 債権保証・与信管理についてならmamotte【リコーリース株式会社】

卸売業の倒産が起こる理由とは?原因や対策、取引先倒産による売掛金未回収への備えを解説

物流倉庫とテクノロジーのイメージ画像

卸売業では、仕入れ価格や人件費の上昇、価格転嫁の難しさなど、経営を圧迫する要因が続いています。東京商工リサーチによると、2025年度の全国企業倒産は1万505件と2年連続で1万件を超えました。

一方、卸売業の倒産は1,147件で前年度比5.5%減少しています。倒産件数は減少したものの、円安や物価高、人件費の上昇など、卸売業を取り巻く環境には厳しさが残っています。

本記事では、卸売業が倒産する主な原因や対策、取引先倒産による未回収リスクへの備えについて解説します。

卸売業の倒産件数は?2025年度は1,147件

パソコンを見ながら頭を抱える作業服のビジネスパーソン

東京商工リサーチによると、2025年度の全国企業倒産は1万505件となり、2年連続で1万件を超えました。一方、卸売業の倒産は1,147件で、前年度から5.5%減少しています。

ただし、倒産件数が減ったからといって、卸売業を取り巻く環境が改善したとは限りません。円安や物価高、人件費の上昇など、経営を圧迫する要因も続いています。まずは、全国と卸売業の倒産状況を確認しましょう。

(参考:『全国企業倒産状況|東京商工リサーチ』

2025年度の企業倒産は1万505件で2年連続1万件超え

東京商工リサーチの調査によると、2025年度(4月~3月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は1万505件でした。

前年度の1万144件から3.5%増加し、2年連続で1万件を超えています。2021年度の5,980件を底に4年連続で前年度を上回り、2025年度の倒産件数は、2013年度の1万536件以来となる高い水準でした。

一方、負債総額は1兆5,687億1,500万円で、前年度から33.9%減少しました。負債100億円以上の倒産が8件と前年度の11件から減少した一方、負債1億円未満の倒産は8,062件に達し、構成比は76.7%と1996年度以降で最高を更新しています。

小・零細規模の事業者を中心に倒産が発生している点が、2025年度の特徴です。

2025年度の卸売業の倒産は1,147件

2025年度の卸売業の倒産は1,147件で、前年度の1,214件から5.5%減少しました。2022年度から3年連続で増加していましたが、2025年度は4年ぶりに前年度を下回っています。そのため、「卸売業の倒産が増え続けている」と一概にはいえません。

一方で、全国の企業倒産は1万505件と2年連続で1万件を超えています。このような背景から、倒産件数だけでなく、卸売業を取り巻く経営環境も注視する必要があるといえるでしょう。

卸売業の倒産発生率は0.441%で高水準

2025年度の卸売業の倒産発生率は0.441%でした。前年度の0.462%から低下したものの、東京商工リサーチの分類では、情報通信業、運輸業と並んで0.4%台の高い水準となっています。

卸売業では、円安による仕入れコストや人件費などが上昇する一方、価格転嫁も進んでいます。東京商工リサーチによると、2025年度は4年ぶりに倒産件数が減少し、倒産発生率も改善しました。

こうした状況から、倒産件数だけでなく、コストや価格転嫁の動向にも目を向ける必要があります。

(参考:『2025年度の「倒産発生率(普通法人)動向」|東京商工リサーチ』

卸売業が倒産する主な原因

物流倉庫に置かれた製品

卸売業の倒産には、収益の悪化だけでなく、在庫や資金繰りの問題、取引先との取引によるリスクなど、さまざまな要因が関係します。

卸売業は商品を仕入れて販売するため、仕入れ代金の支払いから売上代金の回収までに時間がかかる点が特徴です。その間に在庫や売掛金にお金が変わるため、売上があっても手元の現金が不足する場合があります。

ここでは、卸売業の経営を圧迫しやすい4つの原因を紹介します。

仕入れコストの上昇を販売価格に転嫁できない

仕入れ価格が上昇すると、販売価格を据え置けば、その分だけ利益が減少します。特に円安や原材料価格の高騰、人件費の上昇などによって仕入れコストが増加しても、販売先との交渉によってすぐに販売価格へ反映できるとは限りません。

販売価格を据え置いたまま仕入れ価格だけが上昇すれば、1件あたりの取引で得られる利益は小さくなります。取引量が多い場合は、利益率の低下が全体の収益に大きく影響することもあるでしょう。

売上高だけで経営状況を判断せず、商品や取引先ごとの利益率を把握し、採算の合わない取引を見直すことが重要です。

仕入れ代金の支払いと売上代金の入金にずれがある

卸売業は、メーカーなどから商品を仕入れ、小売店やほかの事業者へ販売するため、仕入先への支払いよりも販売先からの入金が後になることがあります。

例えば、仕入先への支払いが翌月、販売先からの入金が翌々月という条件なら、その間の資金を自社で用意しなければなりません。

取引量が増えるほど、仕入れに必要なお金も増えるため、売上だけでなく入出金のタイミングも確認することが欠かせません。入金遅延が発生すれば、資金繰りはさらに厳しくなります。

在庫を抱えすぎて資金繰りが悪化する

卸売業では、販売する商品をあらかじめ仕入れて保管するため、過剰在庫も資金繰りを圧迫する要因になります。商品を仕入れた時点では、現金が商品に変わっています。そのため、商品が売れて代金を回収するまでは、そのお金を別の支払いに充てにくくなるのです。

需要を読み違えて在庫が増えれば、保管コストもかかるでしょう。商品の種類によっては、流行や仕様の変更によって価値が下がり、値下げ販売や廃棄につながるケースもあります。

在庫回転率や販売実績を確認しながら仕入れ量を調整し、売れ行きの低い商品を長期間抱え込まないように注意することが重要です。過剰在庫を抑えることで、手元の現金が不足するリスクも抑えられます。

取引先の倒産によって売掛金を回収できなくなる

卸売業では、商品を納品した後に販売先から代金を受け取る掛取引が行われることも多く、取引先が倒産すると売掛金を回収できなくなるリスクがあります。

特に取引額の大きい販売先を抱えている場合、まとまった金額が未回収になると、自社の資金繰りにも影響しかねません。取引先の倒産は自社ではコントロールできないため、卸売業では自社の経営だけでなく、取引先との取引にもリスクがあることを把握しておきましょう。

卸売業の倒産を防ぐためにできる対策

デスクに資料とパソコンを置いて打ち合わせするビジネスパーソンの手元

卸売業の倒産を防ぐには、利益率や在庫、資金繰りを見直すとともに、取引先の信用状況を確認することも大切です。自社の収益構造と資金の流れを把握し、日々の経営管理を見直すことから始めましょう。

利益率と価格転嫁を見直して収益力を高める

仕入れコストが上昇している状況では、売上高だけでなく、商品や取引先ごとの利益率を確認することが欠かせません。仕入れ価格が上がっているにもかかわらず販売価格を据え置けば、取引量が変わらなくても利益は徐々に減少します。

まずは、商品ごとの仕入れ価格と販売価格を比較し、どの商品や取引で利益が確保できているのかを把握しましょう。原材料費や人件費などの上昇分を販売価格へ反映できていない場合は、取引先への価格交渉も選択肢になります。

また、利益率の低い商品や条件の合わない取引を見直すことで、売上規模を維持することだけに頼らず、収益性を高める経営につなげられます。

在庫と資金繰りを適切に管理する

卸売業では、商品を仕入れるために先にお金を支払います。商品がすぐに売れなければ、その間は仕入れに使ったお金を回収できません。過剰在庫が増えれば、手元の現金が不足してしまいます。

対策として、商品ごとの販売実績や在庫の動きを確認しましょう。需要に応じて仕入れ量を調整することで、手元の現金が不足するのを防げます。同時に、仕入先への支払条件と販売先からの回収条件を整理し、資金の出入りを把握することもポイントです。

資金繰り表を作成して今後の入出金を見える化しておけば、資金不足が予想される時期を早めに把握し、金融機関への相談なども含めて対応を検討できます。

取引先の与信管理を徹底する

取引先の倒産による売掛金の未回収を防ぐには、取引開始時だけでなく、取引中も信用状況を確認することも大切です。新規取引では、決算情報や外部調査機関の情報などを参考にしながら、取引限度額や支払条件を設定しておくとよいでしょう。

既存の取引先についても、入金の遅れや支払条件の変更、発注量の急減など、経営状況の変化を示す兆候がないか確認します。取引額が大きい販売先に依存している場合は、取引先を分散させるのもひとつの方法です。

ただし、どれだけ与信管理を行っていても、取引先の倒産は完全には把握できません。そのため、与信管理と併せて、万一の回収不能に備える仕組みも検討しておきましょう。

卸売業の未回収リスクには売掛保証という備えも有効

パソコンを持ちながら笑顔でひと差し指を立てるビジネスパーソン

卸売業では、商品を先に納品し、後から代金を受け取る「掛取引」が行われることが多い傾向です。この場合、取引先が倒産すると、すでに納品した商品の代金を回収できず、自社の資金繰りに影響するケースもあります。

与信管理だけではこうしたリスクを完全に防げません。このような万一の事態に備える方法のひとつが売掛保証です。ここでは、売掛保証の仕組みと、リコーリースの債権保証サービス「Mamotte」の特徴を紹介します。

売掛保証とは?取引先の倒産による未回収リスクに備えるサービス

売掛保証とは、取引先の倒産などによって売掛債権を回収できなくなった場合に備えるサービスです。

売掛保証を利用すると、取引先の倒産などによって売掛金を回収できなくなった場合でも、契約内容に基づいて保証を受けられます。取引先ごとの信用状況を確認する与信管理と組み合わせることで、未回収による損失を抑える対策になります。

なお、売掛保証は資金調達を目的とするファクタリングとは仕組みが異なります。ファクタリングは売掛債権を買い取ってもらい、入金期日前に資金化するサービスですが、売掛保証は取引先の倒産などによる回収不能に備えるものです。

リコーリースの債権保証サービス「Mamotte」で未回収リスクに備える

リコーリースの債権保証サービス「Mamotte」は、取引先の倒産などによる売掛債権の回収不能に備えるサービスです。

リコーリースと取引のある約40万社の与信審査で蓄積されたトランザクションデータ(取引データ)を活用し、独自の審査ロジックで適切な保証限度額を提示します。

「Mamotte」には、取引内容や保証したい金額などに応じて設計する「Mamotte+(オーダーメイドプラン)」と、月額固定型の「Mamotte(パッケージプラン)」があります。

卸売業のように複数の取引先と掛取引を行う事業者にとって、売掛金の回収不能リスクに備える選択肢となるでしょう。

債権保証サービス「Mamotte」について詳しく知りたい方はこちら!

まとめ

倉庫で作業する3人のビジネスパーソン

卸売業の倒産は、仕入れコストの上昇や価格転嫁の難しさ、在庫や資金繰りの問題など、複数の要因によって発生します。2025年度の卸売業の倒産件数は1,147件と前年度から減少したものの、経営環境には依然として厳しさが残っています。

自社の収益や資金繰りを管理するとともに、取引先の信用状況を確認することも欠かせません。さらに、取引先の倒産による売掛金の回収不能に備える方法として、売掛保証も選択肢になります。

リコーリースの債権保証サービス「Mamotte」は、取引先の倒産などによる売掛債権の回収不能に備えるサービスです。取引先の倒産によって売掛金を回収できなくなった場合の損失に備えることで、自社の資金繰りへの影響を抑えやすくなります。

取引先や売掛金の状況を踏まえ、万が一の未回収リスクに備える方法として、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

尾﨑 宗則

【監修】 尾﨑 宗則 
リコーリース株式会社 BPO本部長

1999年リコーリース株式会社に入社。
情報システム部や事業統括部門、営業部門の支社長、子会社(テクノレント社)の営業統括本部長など、重要なポストを歴任した後、2025年4月~決済サービスを管轄するBPO本部長に就任。
数々の商品企画やシステム開発に携わり、豊富な経験と実績・幅広い分野の知識を有するゼネラリスト。

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