与信管理はどの部署が担当すべき?役割や組織体制、専門部署を設けるメリットを解説
掛取引を行う事業者にとって、貸し倒れリスクを抑えるための与信管理は欠かせない業務です。しかし、「営業部が担当すべきか」「専門部署を設けた方がよいのか」と悩むケースも少なくありません。実際には、事業規模や取引件数、組織体制によって適した担当部署は異なります。
本記事では、与信管理を担当する主な部署やそれぞれの特徴、専門部署を設置するメリット・デメリットを紹介します。併せて、専任部署がなくても与信管理を強化する方法や、業務負担を軽減できる債権保証についても解説します。
目次


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与信管理はどの部署が担当する?

与信管理は、取引先の信用状況を確認し、適切な取引条件や与信限度額を設定する業務です。しかし、担当部署に法的な決まりはなく、営業部や経理部、総務・法務部、専任の与信管理部門など、事業者ごとに体制は異なります。
まずは、与信管理の基本的な考え方と、担当部署の決め方、組織づくりのポイントについて確認していきましょう。
与信管理とは
与信管理とは、取引先の支払い能力や経営状況を確認し、貸し倒れリスクを抑えながら掛取引を行うための管理業務です。
売上の拡大だけを優先すると、代金を回収できず資金繰りに影響を及ぼすことがあります。そのため、新規取引を始める前だけでなく、取引開始後も継続的に信用状況を確認し、必要に応じて与信限度額や取引条件を見直すことが求められます。
主な業務は次の通りです。
| 与信管理の主な業務 | 内容 |
|---|---|
| 取引先情報の収集 | 決算情報や事業者情報を確認する |
| 信用力の評価 | 支払い能力や経営状況を判断する |
| 与信限度額の設定 | 取引金額の上限を決める |
| 定期的な見直し | 業績変化や取引状況を確認する |
継続的な管理体制を整えることで、売上拡大とリスク管理の両立につながります。
与信管理を担当する部署に決まりはある?
与信管理を担当する部署について、明確なルールはありません。
事業者の規模や組織体制に応じて、営業部や経理部が兼任するケースもあれば、審査部や与信管理部などの専門部署を設置している場合など、さまざまです。
例えば、取引先が少ない事業者では営業担当者が顧客情報を把握しながら与信管理を行うことがあります。一方、多数の取引先を抱える事業者では、営業と審査を分離し、客観的な判断ができる体制を採用するケースも珍しくありません。
担当部署に正解はありませんが、自社の取引規模や業務量に合った体制を構築することがポイントです。
与信管理を担当する主な部署
与信管理は、事業者によってさまざまな部署が担当しています。
主な担当部署は次の通りです。
| 担当部署 | 主な役割 |
|---|---|
| 営業部 | 顧客情報をもとに取引判断を行う |
| 経理部 | 入金状況や債権管理を担当する |
| 総務・法務部 | 契約書やコンプライアンスを確認する |
| 与信管理部・審査部 | 信用調査や与信判断を専門に行う |
それぞれ強みが異なるため、ひとつの部署だけで対応するとは限りません。営業部が情報収集を行い、経理部が支払実績を確認し、専門部署が最終判断を行うなど、複数部署で役割を分担するケースも多く見られます。
部署を分けるべき事業者の特徴
営業部だけで与信管理を行える事業者もありますが、事業規模の拡大に伴って専任部署を設けた方が運用しやすくなる場合があります。
例えば、次のようなケースでは、営業部門と与信管理を分ける体制が適しています。
- 取引先数が多い
- 掛取引の金額が大きい
- 新規取引先が増えている
- 与信判断が担当者によって異なる
- 貸し倒れリスクをより細かく管理したい
営業部は売上拡大を担う部署であるため、契約を優先した判断になりやすい場面もあります。審査機能を分けることで、一定の基準に基づいた判断がしやすくなり、組織全体の与信管理レベルの向上にもつながります。
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与信管理の専門部署を設置するメリット・デメリット

与信管理の重要性が高まる中、営業部や経理部とは別に専門部署を設置する事業者も増えています。専門部署を設けることで審査基準を統一しやすくなる一方、人員の確保や運用コストといった課題もあります。
ここでは、専門部署を設置するメリット・デメリットや、営業部門から独立させる理由、専任部署がない場合でも対応できるケースについて解説します。
専門部署を設置するメリット
与信管理を専門部署が担当すると、審査基準を統一しやすくなり、担当者ごとの判断のばらつきを抑えられます。
営業担当者ごとの経験や感覚だけで判断すると、取引先によって審査基準が異なるケースがあります。しかし、専門部署が一元的に管理すれば、社内ルールに沿った公平な与信判断を行いやすくなります。
主なメリットは次の通りです。
- 与信判断の基準を統一できる
- 担当者の属人化を防げる
- 営業担当者が営業活動に専念できる
- 与信情報を一元管理しやすい
- 継続的な信用状況の確認を実施しやすい
取引先が増えるほど審査件数も増加するため、組織全体で安定した運用を目指す事業者に適した体制といえます。
専門部署を設置するデメリット
一方で、専門部署を設置するには人員や運用コストがかかります。特に取引件数が少ない事業者では、専任担当者を配置しても業務量に見合わない場合もあるでしょう。また、新たな部署を設けることで承認フローが増え、取引開始までに時間を要するケースも出てきます。
主なデメリットは以下の通りです。
- 人件費が増える
- 教育コストがかかる
- 承認フローが増える
- 部署間の連携が欠かせない
取引規模や業務量に対して過剰な体制になると、かえって業務効率が低下することもあるため、自社に合った運用方法を検討しましょう。
営業部門から独立させる理由
与信管理を営業部門から独立させる理由は、客観的な視点で審査を行うためです。
営業担当者は売上目標の達成を担っているため、新規契約や取引拡大を優先した判断になりやすい場面があります。その結果、信用状況の確認が十分でないまま契約が進むリスクも考えられます。
営業部門と与信管理部門の役割を分けることで、それぞれの業務に集中しやすくなります。
| 部門 | 主な役割 |
|---|---|
| 営業部 | 顧客との関係構築・受注活動 |
| 与信管理部門 | 信用調査・与信判断・限度額管理 |
このように役割を明確にすることで、売上拡大とリスク管理のバランスが取れた組織体制を構築できます。
専門部署がなくても運用できるケース
全ての事業者が専門部署を設置する必要はありません。
例えば、取引先が限られている場合や掛取引の件数が少ない場合は、営業部や経理部が兼任しながら運用しているケースも多くあります。ただし、兼任体制で運用する場合は、担当者ごとの判断に差が出ないよう、社内ルールを整備しておくことが重要です。
次のような運用を取り入れることで、専任部署がなくても与信管理を進めやすくなります。
- 与信審査の基準を文書化する
- 与信限度額をあらかじめ設定する
- 定期的に取引先情報を見直す
- 営業部と経理部で情報共有を行う
- 必要に応じて外部サービスを活用する
事業規模や取引件数に応じて、自社に適した体制を選択することが、効率的な与信管理につながります。
部署別に見る与信管理のメリット・デメリット

与信管理を担当する部署に決まりはありませんが、どの部署が担当するかによって強みや課題は異なります。
営業部は顧客情報を把握しやすく、経理部は入金状況の管理に強みがあります。一方で、それぞれに補い合うべき点もあります。ここでは、部署ごとのメリット・デメリットを紹介するとともに、複数部署が連携して与信管理を行う体制について解説します。
営業部が担当する場合
営業部は取引先と日常的に接する機会が多く、最新の経営状況や商談内容を把握しやすい部署です。そのため、新規取引や与信判断に必要な情報を収集しやすいという特徴があります。一方で、売上目標の達成を優先するあまり、審査基準が甘くなるリスクも考えられます。
主なメリット・デメリットは次の通りです。
<メリット>
- 取引先の状況を把握しやすい
- 最新情報を収集しやすい
- 取引開始までの判断がスムーズ
<デメリット>
- 売上を優先した判断になりやすい
- 担当者によって審査基準に差が生じやすい
- 属人化しやすい
営業部が担当する場合は、社内ルールを整備し、客観的な判断基準を設けることがポイントです。
経理部が担当する場合
経理部は入金管理や売掛金の管理を担当しているため、支払い状況を把握しやすい部署です。未回収債権や入金遅延にも気付きやすく、継続的な与信管理との相性が良いといえます。一方で、営業活動に関する情報を把握しにくい点は課題です。
主なメリット・デメリットは次の通りです。
<メリット>
- 入金状況を把握しやすい
- 債権管理と連携しやすい
- 数値をもとに判断しやすい
<デメリット>
- 顧客との接点が少ない
- 商談状況を把握しにくい
- 営業部との情報共有が欠かせない
営業部と連携することで、より精度の高い与信判断につながります。
総務・法務部が担当する場合
総務部や法務部が与信管理を担当するケースでは、契約書の確認やコンプライアンスの観点から取引をチェックできる点が特徴です。一方で、財務分析や取引実績の確認は専門外となる場合もあるため、他部署との連携が求められます。
主なメリット・デメリットは次の通りです。
<メリット>
- 契約内容を確認しやすい
- 法令順守の観点でチェックできる
- リスク管理と連携しやすい
<デメリット>
- 財務分析の経験が少ない場合がある
- 営業情報を把握しにくい
- 与信判断に時間がかかることがある
契約面だけでなく、財務情報や取引実績も確認することが大切です。
複数部署で連携する体制も有効
与信管理はひとつの部署だけで完結させるのではなく、複数部署が役割を分担する体制も有効です。
例えば、営業部が取引先の情報を収集、経理部が入金状況を確認、管理部門や与信担当者が最終判断を行うことで、それぞれの強みを生かした運用ができます。
役割分担の一例は次の通りです。
| 部署 | 主な役割 |
|---|---|
| 営業部 | 取引先情報の収集・商談状況の共有 |
| 経理部 | 入金状況・売掛金の管理 |
| 総務・法務部 | 契約内容や法務リスクの確認 |
| 与信管理部門(設置している場合) | 与信審査・限度額の設定・最終判断 |
部署間で情報共有の仕組みを整えることで、担当者任せになりにくく、継続的な与信管理を行いやすくなります。
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専門部署を設置しなくても与信管理を強化する方法

与信管理を強化するために、必ずしも専門部署を設置する必要はありません。事業規模によっては、社内ルールの整備や業務フローの見直し、外部サービスの活用によって十分に対応できるケースもあります。
ここでは、専任部署がない事業者でも取り組みやすい与信管理の方法として、ルールの標準化や業務の効率化、債権保証の活用について紹介します。
与信管理ルールを標準化する
担当者ごとに与信判断の基準が異なると、取引先によって審査結果にばらつきが生じることがあります。そのため、社内で共通のルールを整備し、誰が担当しても同じ基準で判断できる仕組みを作ることが大切です。
標準化しておきたい項目は次の通りです。
- 取引開始時の審査基準
- 与信限度額の設定ルール
- 定期的な見直しのタイミング
- 審査時に確認する資料や情報
ルールを文書化して共有することで、担当者の交代があっても運用しやすくなり、属人化の防止にもつながります。
与信管理業務を効率化する
与信管理は、新規取引の審査だけでなく、取引開始後の継続的な確認も欠かせません。取引先が増えるほど業務量も増えるため、効率的に運用できる体制づくりが求められます。
例えば、次のような取り組みが有効です。
- 取引先情報を一元管理する
- 与信審査のフローを統一する
- 定期的な見直しをスケジュール化する
- 部署間で情報共有しやすい仕組みを整える
業務を効率化することで、担当者の負担を抑えながら、継続的な与信管理を行いやすくなります。
債権保証を活用する
社内だけで与信管理を行うことが難しい場合は、債権保証を活用する方法もあります。
債権保証を利用すると、未回収リスクへの備えを強化しながら、与信管理業務の負担軽減にもつなげられます。特に専任部署を設置していない事業者では、有効な選択肢のひとつといえるでしょう。
主なメリットは次の通りです。
- 未回収リスクを軽減できる
- 与信管理業務の負担を減らせる
- 専門的な審査を活用できる
- 少人数でも与信管理体制を強化しやすい
債権保証を上手に活用することで、与信管理業務の負担を抑えながら、継続的なリスク管理を行いやすくなります。専任部署の有無にかかわらず、自社に合った運用方法を検討してみましょう。
与信管理の負担軽減にはリコーリースの債権保証サービス「Mamotte」がおすすめ

与信管理は継続的な情報収集や信用判断が求められるため、担当者の負担が大きくなりがちです。特に専任部署を設置していない事業者では、営業活動や経理業務と兼任しているケースも少なくありません。
こうした課題の解決策として活用できるのが、リコーリースの債権保証サービス「Mamotte」です。与信管理業務をサポートしながら、未回収リスクへの備えも強化できます。
与信管理業務をサポートしながら貸し倒れリスクを軽減
「Mamotte」は、掛取引に伴う未回収リスクに備えながら、与信管理業務の負担軽減を支援するサービスです。
リコーリースがこれまでに蓄積した約40万社との取引データと独自の審査ロジックを活用し、取引先を審査します。そのため、自社だけでは判断が難しい場合でも、与信管理を進めやすくなります。
「Mamotte」の主な特徴は次の通りです。
- リコーリース独自の審査ロジックを活用できる
- 約40万社との取引データをもとに審査を実施
- 取引先へ通知することなく利用できる
- 保証開始後に発生した売掛債権が保証対象となる
専任部署がない事業者でも、与信管理体制の強化につながるサービスです。
事業規模に応じたプランをご用意
「Mamotte」では、取引規模や運用方法に合わせて選べる2つのプランを用意しています。
| プラン | 特徴 |
|---|---|
| Mamotte+(オーダーメイドプラン) | 1社あたり数百万円以上の債権を抱える事業者向け。保証内容を個別に設計できる |
| Mamotte(パッケージプラン) | 保証料を抑えながら利用しやすく、小口債権が多い事業者に適している |
事業規模や取引内容に応じてプランを選択できるため、自社の運用に合わせて導入しやすい点も多くの事業者さまから選ばれる理由です。
与信管理の負担軽減と未回収リスク対策を両立させたいなら、リコーリースの債権保証サービス「Mamotte」がおすすめです。
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まとめ

与信管理を担当する部署に決まりはなく、営業部や経理部、総務・法務部、専門部署など、事業者の規模や組織体制に応じてさまざまな運用方法があります。
取引先数や掛取引の規模が大きい場合は専門部署を設置する方法もありますが、社内ルールの標準化や複数部署での連携によって、専任部署がなくても与信管理を行うことは可能です。
一方で、与信管理は継続的な情報収集や信用判断が必要となるため、担当者の負担が大きくなることも少なくありません。そのような場合は、債権保証を活用することで、貸し倒れリスクへの備えと業務負担の軽減を両立させやすくなります。
与信管理体制の見直しを検討している事業者は、自社に合った運用方法を選ぶとともに、リコーリースの債権保証サービス「Mamotte」の活用もぜひご検討ください。
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【監修】 尾﨑 宗則
リコーリース株式会社 BPO本部長
情報システム部や事業統括部門、営業部門の支社長、子会社(テクノレント社)の営業統括本部長など、重要なポストを歴任した後、2025年4月~決済サービスを管轄するBPO本部長に就任。
数々の商品企画やシステム開発に携わり、豊富な経験と実績・幅広い分野の知識を有するゼネラリスト。
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